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「まるのうち保健室」が国際女性デーにオンラインイベント開催『働く女性ウェルネス白書 2022』発表

「三菱地所株式会社」と現代女性の健康問題など女性医療コンサルティングを展開する「株式会社ファムメディコ」は、働く女性を対象にした『働く女性ウェルネス白書 2022』を「神奈川県立保健福祉大学」「クレアージュ東京 レディースドッククリニック」協力のもと制作し、国際女性デーの3月8日に発表イベントを開催しました。今回「メディケアナース」編集部がイベントの様子をお届けします!

今回『働く女性ウェルネス白書 2022』が発表されたイベントは、働く女性の未来の姿に寄り添うプロジェクト「Will Conscious Marunouchi」と連動した「まるのうち保健室」の一環として開催されました。更に「フォーリンラブ」バービーさんをゲストに迎え、働く女性の健康についてトークセッションも行われました。

2014年より東京・丸の内各所で女性に特化した健康測定やカウンセリング、街一体となった啓発イベントを通じて、働く女性のヘルスリテラシーの向上から、ライフプランやキャリアの選択肢がより広がることを目的に活動されてきた「まるのうち保健室」。では、本イベントで発表された『働く女性ウェルネス白書 2022』のトピックを一部チェックしてみましょう!

働く女性ウェルネス白書 2022

『働く女性ウェルネス白書 2022』とは「ファムメディコ」と「三菱地所」との共催により、主に丸の内エリアで働く女性の健康実態や就労環境との関連性について疫学調査を実施し、結果をもとに提言をまとめたものです。

トピック①リモートワーク実施者はPMS が軽い傾向あり。時短・フレックス制度による婦人科疾患リスクの軽減も

在宅率とPMS の関連性において、在宅勤務中心の勤務体系の群の方がPMS が少ない傾向がみられたのだそう。一方で、PMS が少ない方々は、職場の上司や同僚と日常会話を対面でする頻度が高い結果に。時短勤務・フレックス制度の利用のしやすさが婦人科疾患の有病リスクを下げる可能性もみられ、リモー トと対面のコミュニケーションのバランスと、就業時間の自由度が、パフォーマンスと健康状態の維持・向上が重要だと考えられます。

トピック②ピルの服用率は 15%で全国平均の約 5 倍、若い世代を中心に普及

ピル服用率は全体で約15%となっており、全国平均 2.9% (Contraceptive Use by Method 2019より)と比較すると極めて高い結果となりました。年代別では20 代 31%、30 代 12%、40 代 3%と、若い世代を中心にピルの服用が急速に普及し始めている可能性があります。

トピック③症状や対処法など女性個々人のリテラシー・受診行動が企業・社会変革の後押しに

月経困難症、PMS、不妊症、更年期症状について、症状や対処法に関する理解度を調査したところ、どの症状においても「症状は知っているが対処法は知らない」と回答した人が最も多かったようです。更に、PMS や更年期身体症状を感じている人のうち約4割が「通院経験がない」と回答。また、WEB相談サイトやアプリを使用している人は受診行動がとれていない傾向も浮き彫りとなりました。

白書の詳細はこちら: https://shokumaru.jp/hokenshitsu_2022/

「白書から考える、女性が健康に働ける理想の職場」トークセッションレポート

トークセッションでは「白書から考える、女性が健康に働ける理想の職場」をテーマに、それぞれの価値観や考えについて交わされました。登壇者は『働く女性ウェルネス白書 2022』に併せて行われた健診プログラムの企画・運営担当者「三菱地所株式会社」エリアマネジメント企画部 まるのうち保健室プロデューサー 井上友美さん(以下、井上さん)と「株式会社ファムメディコ」取締役CVO 佐々木彩華さん(以下、佐々木さん)の他、特別ゲストとして「フォーリンラブ」バービーさん(以下、バービーさん)。

左から井上友美さん、バービーさん佐々木彩華さん

「70%以上が月経痛・PMS の症状あり、月経時はパフォーマンスが 20%低下」というデータについて

結果に対しバービーさんも「月経時には少なく見積もって2 割くらいはパフォーマンスが落ちている気がする」「月経時は大喜利も面白くなくなる」と共感を寄せました。ご自身も日々の努力としてピルを飲んだり、温活を心がけたりしているそうですが、月経に伴う不調は操作できず「流されるがままになってしまう」と話します。

そこで井上さんは「『PMS はどうしようもないことなので逆に大事なことは決めない』など、自分でルールを決めていくことが大切なのでは」とアドバイスを寄せました。

「ピルの服用率15%は全国平均の約5倍」という普及状況をどうみる?

「まるのうち保健室を開始した2014年当時は数パーセントだったので驚いた」と井上さん。佐々木さんも「ピルを飲んでいることをオープンに話しやすくなってきているのでは」と、近年の社会的変化を語りました。

また、バービーさんはこの1〜2 年で『生理を自分でコントロールしていいんだ』と女性自身の認識を含めて変わってきたことを実感されたのだそう。「芸能人がYouTube等で『ピルを飲んでいます』と発言すると、数年前まではファンの方から『実は私も飲んでいました!』という声や、驚きの反応が殺到することも少なからずあったが、最近はピルを飲んでいること自体が特別な行為ではないと言うような反応になってきた」と語りました。バービーさん自身もピルを日頃から服用されているそうで「ピルを飲まないと動けない人もいるのではないか。そういった人の存在が今回分かったピルの服用率の数字の裏返しなのではと感じられる」と、ご自身の経験からお話頂きました。

婦人科へもっと通いやすくするために

経腟超音波検査で何らかの異常所見が認められた方のうち3分の1が「初めて自分の症状を知った」という結果に対してバービーさんは、自身のファンの方の体験談を披露されました。それは、バービーさんのYouTubeチャンネルで女性の健康に関するトピックを発信された際、偶然視聴していたファンの方がその動画を受けて婦人科へ行ってみたところ疾患が見つかったと後日談を聞いたのだそう。

佐々木さんは「子宮頸がん検査で異常がなかったから何の異常もないと思っている方は数多くいるが、今回4人に1人見つかった子宮筋腫や子宮内膜症のような疾患は子宮頸がん検査では見つけられない」と述べ「『生理痛が重い=なんらかの疾患がある』という認識を持った方がいい」と健診の必要性を呼びかけました。

また、婦人科受診率の低さの背景には「婦人科をよく知らないからこそ未知の恐怖があるのでは」と佐々木さん。経腟超音波検査の受診経験があるバービーさんは「経腟超音波検査はそれほど痛くないし、診察時の椅子には諸外国と比べると珍しいプライバシーを配慮したカーテンもある」「椅子に乗るのは怖いかもしれないけれど恐れないで」と、イベント参加者を勇気づけます。

健康・妊娠・子育てと仕事・キャリアを両立するために

キャリアと出産の両立について、バービーさんは「自分は少しずつゆとりを持たせるなど出来るが、組織の中で子育て・妊活の両立は相当難しいんだろうなと思った」「パートナーがサラリーマンで、育休を簡単に男性が取れない状況を見ているとより強く実感する」と話しました。バービーさん自身は、現場で自分の体調をしっかりと伝え、配慮してもらう環境づくりを心掛けているのだそう。一方で、井上さんは働く女性自身からの投げかけと周囲のサポートの必要性について指摘。

「例えば、妊活をする為にどのくらいの時間・お金を割かなければいけないのかは当事者にしかわからない。基礎的な理解が周りにないと女性が休むことに対して戶惑ったり不満を抱いたりしてしまう」と、まずは男女がお互いの身体のことを知ることの大切さを訴えました。

イベント開催概要

名 称:「働く女性ウェルネス白書 2022」発表イベント

日 時:2022年3月8日(火)15:30〜16:30

共 催:三菱地所株式会社、株式会社ファムメディコ

協 力:神奈川県立保健福祉大学、クレアージュ東京レディースドッククリニック 

参画企業:アンファー株式会社、ウェルネス・コミュニケーションズ株式会社、東京海上ホールディングス株式会社、株式会社ディー・エヌ・エー、デロイト トーマツコンサルティング合同会社、株式会社丸ノ内ホテル、三菱地所株式会社、三菱地所プロパティマネジメント株式会社、株式会社ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツ(五十音順)

▷イベントアーカイブ映像

ファムメディコ

ファムメディコは、働く女性の医療課題解決をミッションに、ライフステージに応じた女性特有の悩みに対し、女性自身のリテラシ ー向上と企業制度の整備を目指し、医師・NPO・大学・医療施設等を網羅した幅広い提携ネットワークを活かして、健康経営における 女性の健康問題をサポートする医療コンサルティングを提供しています。HP

クレアージュ東京 レディースドッククリニック

すべての女性にとって必要な健診や医療を提供する女性専用クリニックです。3,000 名の女性から収集したリアルな声をもとにクリ ニック・サービスを開発して有楽町にオープンし女性医師・スタッフによる女性専用人間ドックを提供しています。女性に必要な検 査を総合的に行うことで、すべての女性が自身のからだに起こりうるリスクをこれまでよりも多く・正しく知ることができる健診施設 の実現を目指します。HP