看護師の珍しい仕事18選!病院以外の職場で働くメリットを解説
看護師さんの職場というと病院や診療所をイメージする方は多いと思われますが、じつはそれ以外にも看護師の資格を活かせる仕事はたくさんあります。
この記事では、なかでも「そんな仕事があったんだ」というような、珍しい18種類の仕事をご紹介します。
病院以外の職場で働いてみたいという方は参考にしてみてください。
看護師の珍しい仕事
では、看護師さんの珍しい仕事についてご紹介していきます。
① ツアーナース
個人もしくは団体の旅行に同行し、対象者の健康管理や突然のケガ、発病時の処置や対応をおこなう仕事です。旅行添乗看護師ともいいます。仕事が不定期で勤務時間が長いものの、トラブルがなければ処置をする必要がなく、さまざまな場所での旅行に同行できるという点から人気があります。
②ナースキャスト
東京ディズニーリゾートの救護室に常駐し、ゲスト(来園者)やキャスト(スタッフ)の応急手当や看護をおこなう仕事です。人気のテーマパークで働けるうえに、ケガや急病などのトラブルはそこまで多くないため、外来や病棟勤務ほど慌ただしくありません。ただし、病棟勤務の経験が必須です。
③イベントナース
お祭りやコンサート、スポーツ大会などイベントの際に会場の救護室で待機し、ケガや急病人が発生した場合の処置や対処をおこなうのが仕事です。ツアーナースのようにイベントの非日常な雰囲気を味わうことができ、またとくにトラブルが発生しなければ、処置などをせずに仕事を終えられます。
④コールセンター
医薬品や医療機器を取り扱う企業、保険の健康相談サービスなどのコールセンターで顧客の電話対応をおこなう仕事です。勤務時間は1日平均3時間、週2~3日程度というケースが多く、座って仕事ができるため、現場の看護師よりは身体的な負担が少ないといえます。
⑤シップナース
クルーズ船や豪華客船、貨物船などに乗船し、乗客や乗務員のケガ、体調不良時の応急処置や治療、看護などをおこなう仕事です。ただし、日本は船が少なく募集は多くありません。海外でも募集があるため、英語などが分かる方であればこちらに応募するのもよいでしょう。仕事内容はほぼ同一です。
⑥ホテルの医務室・救護室
ホテルや旅館の医務室や救護室に常駐し、宿泊客にケガや急病が発生したときの応急処置や対応をおこなう仕事です。すべてのホテル・旅館に看護師が常駐するわけではありませんが、リゾートホテルや大規模なビジネスホテルでは採用募集をおこなっている場合があります。
⑦フリーランス
看護師の資格さえあれば、開業届を提出するだけで誰でも好きなときだけ働く「フリーランス看護師」になることが可能です。仕事は求人サイトや直接営業などで探します。同じ職場に長く勤めることが苦手、人間関係のしがらみが面倒という方や、自分でスケジュールを決めて自由に仕事をしたいという方に向いています。
⑧看護学校
看護大学や看護専門学校で専門分野の講義をおこなう、教員としての仕事です。おもに病棟や学内の実習、レポート添削やテストの作成、採点などが仕事内容となります。なお、看護学校の教員になるには臨床経験と、看護教員養成講習会の受講が必須です。臨床実習のみの単発求人もあるため、未経験な方はそちらで経験を積んでみてはいかがでしょうか。
⑨保育園
厚生労働省が保育園に看護師をできる限り配置するように求めており、保育園での看護師の求人は増加傾向にあります。子どもが好きな方におすすめの仕事です。保育園での仕事としては、園児や職員の健康管理、衛生指導や保護者への保健指導、園外保育への同行など、幅広いです。
⑩児童福祉施設
家庭の教育的な事情や経済的な事情などで入所している子ども(通常、1歳以上~18歳未満)に対する健康管理や心のケアなどがおもな仕事です。医療行為をおこなうことはほぼなく、残業や夜勤もほぼありません。子どもが好きな方や小児科、育児などの経験がある方におすすめです。
11.大学の保健室
小中高校の保健室のように、学生がケガや体調不良を起こした場合に対応したり、保健指導、悩み相談を受けたりする仕事です。大学によっては健康診断の検査技師や薬剤師、臨床心理士(公認心理師)が在籍する、大規模な健康管理センターとなっている場合もあります。
12.検疫官
厚生労働省が採用する国家公務員の看護職で、空港や海港、検疫場上などで検疫をおこなう仕事です。勤務地は北海道から沖縄までの全国110箇所にある空港と海港になります。出入国者が感染症に罹患していないか検疫や問診をおこなったり、海港勤務の場合は船の衛生検査などを実施したりします。
13.看護系技官
検疫官と同様、厚生労働省が採用する国家公務員の看護職です。看護師としての経験や技術、知識などをもとに国の会議や検討会に参加する行政官です。看護師と保健師または助産師免許を有することが必須で、医療や福祉に関する法律の検討時などに、現場を知る看護師として意見を述べるのが仕事になります。
14.CRC(治験コーディネーター)
製薬会社が新薬の開発時に必要となる臨床試験(治験)の調整、被験者のサポートなどをおこなう仕事です。医療機関の治験事務局に直接雇用される場合と、民間企業である治験施設支援機関(SMO)に所属し、医療機関に派遣される場合とありますが、業務はほぼ同一です。
15.CRA(臨床開発モニター)
新薬の臨床試験、治験全体の管理やモニタリングをおこなう仕事です。CRCが医療機関で治験の実施をサポートするのに対し、臨床開発モニターは製薬会社に所属します。CRAの雇用先はおもに製薬会社と、製薬会社が実施する治験業務の受託・代行企業であるCRO(医薬品開発業務受託機関)です。
16.自衛隊
国家公務員として自衛隊に所属し、全国の自衛隊病院や基地での勤務や、災害派遣、PKO(国際連合平和維持活動)に参加するのがおもな自衛隊看護師の仕事です。自衛隊看護師のキャリアには「自衛官」と「技官」の2種類があり、それぞれ勤務地や仕事内容が異なります。
17.刑務所
刑務所に勤務する看護師の職場となるのは通常、一般刑務所内の診察室か、医療刑務所の2ヶ所です。場所により業務内容が異なります。受刑者の処置や看護の際に看護師が一人で対応することはなく、かならず刑務官が同席するため、安全は確保されています
18.訪問看護
訪問看護ステーションや病院、診療所などに在籍し、利用者の方の自宅を訪問して、食事や排せつ、入浴介助などの生活上の支援、バイタル測定や健康管理などをおこなう仕事です。このほかにも、主治医との連携をとったり利用者やそのご家族とコミュニケーションをとって相談にのったり、アドバイスをしたりする存在でもあります。
病院以外の職場で看護師が働くメリット
つづいて、看護師さんが病院以外の職場で働くことにどのようなメリットがあるのかをご紹介します。
病院と比べて生死にかかわる事態などのプレッシャーが少ない
病院での勤務は患者さんの命を預かることになるため、自分の行動ひとつで患者さんの生死を左右する事態に陥ったり、医療ミスが発生したりする可能性さえあります。しかし、病院以外での勤務であれば、重症の患者さんと接する機会が減るため、生死にかかわる事態にもなりにくく、このような精神的負担は少なくなることでしょう。
看護師の資格を活かせる
看護師の資格を所有していても、医療現場で働いていない潜在看護師さんは少なくないといわれています。もちろん、資格があってもかならず看護師の仕事をする必要はありませんが、ご紹介した職種であれば、苦労して取得した看護師の資格を活かして働くことができます。
夜勤のない職場が多い
病院での勤務は基本的に出勤時間や休日も不規則で、夜勤も必須の場合が多いです。そのため、生活リズムも乱れやすく体調を崩してしまうこともあるでしょう。しかし、ご紹介した職場の多くは夜勤がありません。規則正しい生活を送りたいという方には病院以外のほうが向いているかもしれません。
まとめ
看護師の資格を活かせる仕事は色々あります。転職を考えている看護師さんや、看護師の資格はどういう場所で活かせるのか知りたかったという方は、このなかで興味のある職種があれば、さらに調べてみてはいかがでしょうか。